はじめて賃貸物件を探すとき、よく耳にするのが初期費用という言葉。でも実際には「家賃とは別に、どんな費用が、いくらくらいかかるのか分からない…」という方も多いのではないでしょうか。
賃貸契約には、敷金や礼金、仲介手数料、前家賃、火災保険料など、さまざまなお金が必要です。これらはすべて、契約時にまとめて支払う必要があり、内容によっては家賃の5〜7ヶ月分になることもあります。
さらに、家具や家電の購入費、引越し業者への支払いなど、実際の生活を始めるまでにかかる費用も少なくありません。こうした出費を知らずに物件を選んでしまうと、あとから「こんなにかかるとは思わなかった…」と後悔することにもなりかねません。
この記事では、賃貸物件を契約する際にかかる初期費用の内容や相場感、節約のコツまでをわかりやすく解説します。安心して新生活をスタートするために、まずは“最初にかかるお金”をしっかり把握しておきましょう。
引越し前に知っておきたい「初期費用」の基本

賃貸物件に引越す際、よく聞く「初期費用」とは、契約時にまとめて支払う必要がある費用のことです。家賃とは別に発生するため、事前にしっかり把握しておかないと「思っていたよりもお金がかかった…」と後悔することにもなりかねません。
初期費用に含まれる代表的な項目は以下の通りです。
敷金・礼金:大家さんに預ける保証金や、お礼として支払うお金
仲介手数料:物件を紹介してくれた不動産会社に支払う報酬
前家賃(日割り家賃):入居日から月末までの家賃や、翌月分の家賃
火災保険料:万が一に備えるための保険料(加入が必須の場合が多い)
保証会社利用料:連帯保証人の代わりに保証会社を利用する場合の費用
鍵交換費用:セキュリティ確保のため、鍵を交換するための費用
この他にも、物件や不動産会社によっては「クリーニング費用」「事務手数料」「消毒費用」などがかかることもあります。
また、住み始めてからの家具・家電の購入費用や引越し業者の費用も見落としがちですが、これも“実質的な初期費用”と考えておくと安心です。
最初にかかるお金をしっかり見積もっておくことで、引越し後の生活資金にも余裕が持てます。次のセクションでは、それぞれの項目について具体的な金額や相場感を解説していきます。
賃貸初期費用の主な内訳と相場

◆敷金・礼金とは?|意味と金額の目安
敷金は、賃貸契約時に大家さんへ預ける「保証金」のようなもので、退去時の原状回復(修繕・清掃など)に使われ、未使用分は返金されるのが一般的です。
一方、礼金は大家さんへの「お礼」として支払うお金で、返金されることはありません。
敷金の相場:家賃の1〜2ヶ月分
礼金の相場:家賃の0〜2ヶ月分
最近では、敷金・礼金が「ゼロ」の物件も増えてきていますが、その分、退去時に別途費用がかかるケースもあるので要注意です。
◆仲介手数料|誰に払う?いくらが普通?
仲介手数料は、物件を紹介・契約までサポートしてくれる不動産会社に支払う報酬です。
金額は法律で「家賃の1ヶ月分+消費税」が上限と定められており、多くのケースでこの満額が請求されます。
最近では、仲介手数料が割引できる物件も登場しており、コストを抑えたい方は比較してみるのもおすすめです。
◆前家賃・日割り家賃|入居日によって変動
入居が月途中の場合、入居日から月末までの日数分(=日割り家賃)が請求されます。
さらに、翌月分の家賃(前家賃)をあわせて支払うのが一般的です。
たとえば、4月15日入居の場合
4月15日〜30日までの日割り家賃
5月分の家賃(前家賃)
この2つが初期費用として含まれます。
◆火災保険・鍵交換費・保証会社利用料など
上記の他にも、以下のような費用が発生するケースがあります:
火災保険料:年間で約1.5万〜2万円が相場。加入が契約条件になっている場合が多い。
鍵交換費用:セキュリティ確保のため、1〜2万円前後が一般的。
保証会社利用料:連帯保証人の代わりに保証会社を利用するケースで、初回費用は賃料の50〜100%程度が目安。更新料が別途かかることも。
これらは契約書の内容によって異なるため、申し込み前にしっかり確認しましょう。
◆引越し費用や家具家電購入も忘れずに!
不動産契約時に支払う初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)とは別に、実際に暮らし始めるまでにはさまざまな準備費用がかかります。ただし、これらの費用は生活スタイルや家族構成によって大きく異なるため、自分に合った見積もりを立てることが大切です。
引越し費用:荷物の量や移動距離、依頼する業者のプランなどにより変動します。一人暮らしと、カップルや家族での引越しでは、必要なトラックの大きさや作業人数も異なるため、費用にも差が出ます。
家具・家電の購入費:どこまでの設備を揃えるか、また同居人がいるかどうかでも必要なアイテムの数や内容が変わります。たとえば一人暮らしの場合はコンパクトな家電で足りることもありますが、同棲や家族暮らしでは容量の大きい家電や複数の家具が必要になることもあります。
合計でどれくらい?初期費用の目安

◆「家賃の5〜7ヶ月分」が相場とされる理由
敷金・礼金・仲介手数料・前家賃など、主要な費用だけで家賃の4〜5ヶ月分程度になるケースが多く、そこに火災保険料や保証会社の利用料、鍵交換費用などが加わるため、結果的に5〜7ヶ月分程度が目安とされています。
「ゼロゼロ物件(敷金・礼金なし)」や「仲介手数料無料」の物件もありますが、その分条件が限定的だったり、退去時の費用が高くなる場合もあるため、トータルコストで判断することが大切です。
◆実際のシミュレーション|家賃6万円の物件の場合
家賃6万円の物件を契約する場合、以下のような初期費用が想定されます。
項目 | 内容 |
---|---|
敷金(1ヶ月分) | 60,000円 |
礼金(1ヶ月分) | 60,000円 |
仲介手数料(1ヶ月+税) | 約66,000円(10%税込) |
前家賃(1ヶ月分) | 60,000円 |
日割り家賃 | 入居日によって発生(※例:4月15日入居なら4/15〜4/30分) |
火災保険料(2年分) | 約15,000〜20,000円 |
保証会社利用料 | 約30,000〜60,000円 |
鍵交換費用 | 約10,000〜20,000円 |
→ 約30〜35万円前後
このように、家賃6万円の物件であっても、初期費用は30万円以上かかることが一般的です。
さらに、引越し業者の費用や家具・家電の購入費を加えると、5〜10万円程度上乗せされることもあり、トータルでは「家賃の5〜7ヶ月分」程度を見込んでおくと安心です。
初期費用を抑えるための5つのポイント

ここでは、少しの工夫や物件選びの視点を変えるだけで、初期費用をグッと抑えられる5つのポイントをご紹介します。
◆敷金・礼金ゼロ物件を探す
まず注目したいのが「敷金・礼金ゼロ」の物件。最近では特に単身者向けや築年数がやや古めの物件で多く見られます。敷金・礼金がどちらも1ヶ月分ずつかかる場合、それだけで家賃2ヶ月分=10万円以上の差が出ることもあります。
ただし、「ゼロ物件」は退去時にクリーニング費用などが別途かかるケースもあるため、契約内容はしっかり確認しましょう。
◆仲介手数料が安い不動産会社を活用
仲介手数料は、通常「家賃1ヶ月分+税」が上限とされていますが、最近では物件によっては「半額」や「無料」で契約できるケースも増えています。
ネット検索で「仲介手数料 無料 賃貸」などと調べると、対象物件を扱っている不動産会社が見つかることもあります。
また、オーナーと直接契約できる「管理会社直物件」の場合は、そもそも仲介手数料が発生しないケースもあります。気になる物件があれば、問い合わせ時に「この物件は仲介手数料がかかりますか?」と確認してみるのがおすすめです。
ただし、手数料が安いからといって、すべての物件・サービスが同じ水準とは限りません。あくまで「物件ごと」に条件が異なるため、紹介の丁寧さや契約時のサポート、アフターフォローなども含めて、総合的に比較・検討することが大切です。
◆初期費用のキャンペーンや交渉術を活用
不動産会社や物件によっては、「初月家賃無料」「仲介手数料半額」「フリーレント1ヶ月」などのキャンペーンが行われていることも。特に、長く空室が続いている物件は交渉の余地があることも多いです。
※フリーレント1ヶ月:契約開始から1ヶ月間、家賃が無料になる特典
内見時や申込前に「初期費用、もう少し下げられませんか?」と相談してみるだけでも、条件が緩和されることがあります。
岡山市でお部屋探しをされる方には、後楽不動産がご提供する「MOMOゼロプラン」もぜひ注目していただきたいポイントです。
このプランは、岡山市内の後楽不動産が管理する一部物件を対象に、敷金・礼金・保証料・火災保険料など、初期費用をすべてゼロにできる特別なプランです。契約時に必要なのは前家賃のみなので、「急な引越しでまとまった資金を用意するのが難しい…」という方にも安心してご利用いただけます。
岡山市に根ざした不動産会社だからこそご提供できる、地域密着型のサポートとコストダウン。お得に、安心して新生活を始めたい方は「MOMOゼロプラン特集ページ」もぜひチェックしてみてください!
◆家具・家電付き物件という選択肢
一人暮らしや短期入居を予定している方は、家具・家電付き物件を選ぶのも初期費用を抑えるコツ。
冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・ベッドなどが備え付けられているため、購入費用をカットできます。
物件によっては多少家賃が高めでも、トータルでは安くなることもあります。引越し後すぐに生活が始められるのもメリットです。
◆引越し時期を見直す(繁忙期 vs 閑散期)
3月〜4月は引越しの繁忙期で、家賃や初期費用が高めに設定されがち。
一方、5月〜8月や11月〜12月などの閑散期は、条件の良い物件が見つかりやすく、費用交渉もしやすい傾向にあります。
引越しのタイミングに融通がきく方は、あえて時期をずらすことで数万円単位の節約になることもあります。
よくある疑問と注意点

◆分割払いはできる?クレジットカードは使える?
初期費用の一括支払いは、負担に感じる方も少なくありません。
ただし、実際のところ、初期費用の分割払いに対応している不動産会社や物件はあまり多くありません。
そのため、分割の代替手段として「クレジットカード払い」が利用されるケースが増えています。
ただし、これもすべての物件で可能とは限らないため、事前に確認が必要です。
◆初期費用以外に気をつけたい「更新費」や「解約費用」
初期費用のほかにも、契約後に必要となる費用についても把握しておくことが大切です。
【更新費用】
契約期間(通常2年)満了時に契約を更新する場合、家賃の1ヶ月分前後が「更新料」として請求されるケースが多く見られます。
【解約費用(違約金)】
契約から短期間(1年未満など)で解約する場合、1〜2ヶ月分の家賃が違約金として発生することがあります。また、初期費用の割引やキャンペーンを利用して契約した場合には、通常より高めの違約金が設定されているケースもあります。たとえば「仲介手数料無料」や「フリーレント」などの特典がある物件では、一定期間内の解約で割引分の返還を求められる特約がついていることがあります。
【原状回復費用】
退去時には、室内クリーニング費や修繕費が発生します。
多くの場合は敷金から差し引かれますが、物件によっては実費での請求となることもあります。
◆賃貸契約前に確認しておくべきことチェックリスト
初期費用を払う前に、以下のようなポイントは必ず確認しておくと安心です。
□ 敷金・礼金・仲介手数料の金額は明確か?
□ 保証会社の利用が必須か?手数料はいくらか?
□ 家賃の支払い方法(振込/引き落とし/カードなど)は?
□ 契約期間と更新料の有無・金額は?
□ 解約時の違約金や退去費用の条件は?
□ 火災保険や鍵交換費などのオプション費用は含まれているか?
□ クレジットカード払いや分割払いの対応可否は?
□ インターネットや駐車場など、希望する設備の条件は満たしているか?
「聞いておけばよかった…」を防ぐためには、契約前の確認がカギです。
まとめ|初期費用を理解すれば、納得の引越しができる
賃貸物件を契約する際の「初期費用」は、家賃とは別にかかる大きな出費です。敷金・礼金・仲介手数料・前家賃など、契約時に必要なお金は家賃の5〜7ヶ月分が相場とされ、家具・家電の購入費や引越し費用も加えると、それ以上になることも少なくありません。
だからこそ、「初期費用って何が含まれていて、いくらくらい必要なのか」を事前にしっかり把握しておくことがとても大切です。加えて、物件選びや契約の工夫によって費用を抑えることも可能です。敷金・礼金ゼロ物件、仲介手数料無料の不動産会社、初期費用のキャンペーンなど、活用できるポイントは意外と多くあります。
分割払いやクレジットカード対応、更新費や解約費用といった「見落としがちな支出」にも注意を払い、無理なく、納得して新生活をスタートできるよう備えておきましょう。
もし不安なことがあれば、経験豊富な不動産会社に相談するのもひとつの手です。納得のいくお部屋探しのために、初期費用への理解をしっかり深めておきましょう。