
賃貸物件を探すとき、「1階の部屋はやめたほうがいい」と耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
確かに、防犯やプライバシー、湿気や虫といった住環境の不安から敬遠されがちなのは事実です。
しかし一方で、家賃が割安になりやすい・荷物の出し入れがラク・専用庭が付く場合があるなど、1階ならではの大きなメリットも存在します。
「安いのは魅力的だけど本当に大丈夫?」「子育て世帯にはどうなの?」と迷っている方に向けて、本記事では1階住戸の実情を整理しました。
- ① なぜ1階住戸は「やめたほうがいい」と言われるのか?
- ② 1階住戸のメリット
- ③ 1階住戸のデメリット
- ④ 1階住戸が適している人
- ⑤ やめた方がいいケース
- ⑥ まとめ
なぜ1階住戸は「やめたほうがいい」と言われるのか?

1階住戸については「やめておいた方がいい」と言われることが多くあります。
一般的によく挙げられる理由は、安心感や快適さに関わるリスクが上階よりも大きい点です。
◆防犯面の不安
特に女性の一人暮らしや、小さなお子さまのいる家庭では「安心して暮らせるかどうか」が大きな課題になります。防犯シャッターやオートロックの有無で安全性は大きく変わるため、物件選びの際には必ずチェックすべきポイントです。
◆プライバシーの欠如
カーテンを閉めっぱなしにせざるを得ず、自然光を取り入れにくい生活になるケースも。とくにリビングや寝室の窓が人通りに面している場合、落ち着いて過ごせないと感じる人も少なくありません。
◆室内環境の弱点
その結果、湿気がこもりやすく、カビの発生や空気のよどみ、さらには虫の侵入といった問題が起こりやすくなります。梅雨や夏場は特に注意が必要です。
◆水害リスク
立地によっては、台風や大雨の際に洪水・浸水の被害を受けやすいのも1階の大きなデメリットです。
過去に水害があった地域では、住んでから初めて「1階は危なかった」と気づくことも少なくありません。入居前に市区町村が公開しているハザードマップを確認することが欠かせません。
1階住戸のメリット

しかし、実際には1階ならではの利点も多く、暮らし方によっては大きな魅力になることもあります。主なメリットを詳しく見ていきましょう。
◆家賃が安い傾向にある
そのため、同じ予算でも広い部屋を選べたり、築年数の浅い物件に住めたりと、選択肢が広がります。家賃を抑えたい方には大きな魅力です。
◆階下への騒音トラブルがない
小さなお子さまがいる家庭や、生活音を気にせずリラックスして暮らしたい方にとっては大きな安心材料になります。
◆出入りや荷物搬入がスムーズ
毎日の買い物や重い荷物を運ぶときはもちろん、引っ越しの際にも負担が少なく済みます。高齢の方やベビーカーを使うご家庭にも便利です。
◆専用庭やテラスが付く場合がある
ガーデニングや家庭菜園を楽しんだり、子どもの遊び場やちょっとしたアウトドアスペースとして活用できたりと、暮らしの幅が広がります。
1階住戸のデメリット

窓やベランダから侵入されやすいことから、特に女性の一人暮らしや小さな子どものいる家庭では慎重な検討が必要です。防犯カメラやシャッターなどの設備が整っているかどうかが重要なチェックポイントになります。
◆通行人から室内が見えやすくプライバシーが弱い
そのため、カーテンやブラインドを常に閉める必要があり、開放的に過ごしにくいのが難点です。
◆日当たり・風通しが不利で湿気・カビの心配がある
その結果、湿気がこもりやすく、カビの発生や空気のよどみに悩まされるケースも少なくありません。
◆虫や小動物が入りやすい
また、地域によっては猫や小動物がベランダに入ってくることもあり、苦手な人にはストレスとなります。
◆洪水・浸水リスクが高い立地もある
河川や水路が近い地域、過去に浸水被害があったエリアでは特に注意が必要です。入居前にハザードマップを確認することが欠かせません。
1階住戸が適している人

◆家賃をできるだけ抑えたい人
浮いた家賃分を貯金に回したり、家具・家電の購入に充てたりと、暮らしの自由度を高められます。
◆荷物が多く、日常の出入りをラクにしたい人
重い荷物を運ぶことが多い人や、引っ越しの負担を軽くしたい方には特におすすめです。
◆小さな子どもがいて騒音トラブルを避けたい家庭
子育て中の家庭にとって、精神的な安心感につながります。
◆専用庭やテラス付きの住まいを希望する人
ガーデニングや家庭菜園を楽しんだり、子どもの遊び場やペットのスペースにしたりと、暮らしの幅が広がります。
やめた方がいいケース

一方で、1階住戸はライフスタイルや価値観によってはストレスの原因になることもあります。以下に当てはまる方には、基本的におすすめできません。
◆防犯やプライバシーに強い不安を感じる人
1階は侵入リスクが高く、人目にもつきやすいため、防犯やプライバシーを最優先にしたい方には不向きです。安心して暮らすためには、オートロックや防犯シャッターなどが必須になります。
◆日当たりや換気を重視する人
◆洗濯物を外に干したい人
◆洪水や浸水リスクが高いエリアで探している人
◆虫やカビに敏感な人
まとめ
つまり、1階住戸は「誰にでも不向き」というわけではなく、ライフスタイルや優先順位によって向き・不向きがはっきり分かれる住まいです。
・コスト重視・利便性重視の方にはメリットが大きい
・防犯や快適さを重視する方にはリスクが目立ちやすい
入居を検討する際は、防犯設備(オートロック・シャッター)、通気や湿気対策、立地の水害リスクなどを確認し、自分の暮らし方に合うかどうかを見極めることが大切です。
